海の上を走る旅へ
宮古島には、海と島を結ぶ4つの橋があります。
伊良部大橋、来間大橋、池間大橋、そして下地島空港へと続く海上道路。
それぞれの橋は、ただの道ではありません。
どこまでも澄んだ海と、光り輝く空が織りなす風景の中で、旅人の心に物語を描くステージです。
車の窓を開ければ、潮風が頬をかすめ、波の音が遠くでささやきます。
目的地を急ぐより、その道の途中こそが旅。
宮古島の橋を渡るとき、その感覚を思い出させてくれます。
このページでは、そんな「橋の物語」を感じられる宮古島の4つの橋を、ひとつずつ辿っていきます。
伊良部大橋 —— 宮古ブルーの海原をまっすぐに
長さ3,540メートル。日本一長い無料の橋として知られる伊良部大橋。
宮古島の西側から、伊良部島へとまっすぐに伸びるその姿は、
まるで海と空を結ぶ“青の一本線”のようです。

宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋の入口。青く澄んだ海と優美なカーブが美しいドライブスポット。
朝の光を受けて走ると、
左右に広がるエメラルドブルーの海がきらめき、
車のボンネットに光が跳ね返ります。
走行中は徐々に海面が近づき、風の匂いが変わるのを感じるでしょう。
宮古側の「伊良部大橋展望台」からは、
橋の全景とともに宮古島の海のグラデーションが一望できます。
午前中の9時〜10時頃が最も透明感のある “宮古ブルー” を撮れる時間帯。
📍 ビュースポット:伊良部大橋展望台
🌅 おすすめ時間:午前9〜10時(順光で海の色が最も鮮やか)
来間大橋 —— 小さな島への優しい道
宮古島南西部から来間島へと続く、全長1,690メートルの来間(くりま)大橋。
伊良部大橋の壮大さとは対照的に、海との距離が近く、
まるで水面をなでるように走る穏やかな橋です。

宮古島と来間島を結ぶ来間大橋の中央から撮影した風景。まっすぐ伸びる道路の両側にエメラルドグリーンの海が広がり、青空と白い雲が南国の爽やかな雰囲気を引き立てています。晴れた日には、宮古ブルーの海と空のコントラストが見事です。
橋を渡りきると、そこは小さな楽園・来間島。
静かな畑道の向こうに青い海が広がり、
竜宮城展望台からは、来間大橋の曲線と宮古本島の全景が一望できます。
夕暮れ時、オレンジ色の光に包まれた橋を振り返ると、
橋全体が海に溶け込むように輝きます。
📍 周辺スポット:竜宮城展望台、長間浜、島茶屋 ヤッカヤッカ
🌇 おすすめ時間:夕方(夕陽と逆光のシルエットが幻想的)
池間大橋 —— 北の海に架かる“風の橋”
宮古島の北端にある池間大橋は、風の強い日が多く、
波の音が響くダイナミックな橋として知られています。
全長1,425メートル、池間島へと伸びる橋の上では、
潮風が車の窓を叩き、白波がきらめく姿が見られます。

池間島へ続く青の一本道。澄み渡る海と空が旅心を誘う池間大橋の絶景。
池間島に渡ると、静かな漁村やサンゴ礁の浅瀬が広がり、
“昔ながらの宮古の原風景”を感じることができます。
海の透明度は島内随一。晴れた日には、
水面の下まで見えるほどの澄んだ青に出会えるでしょう。
📍 立ち寄りスポット:池間大橋公園(展望・休憩所あり)
🌊 撮影ヒント:橋の真下から見上げるアングルで、迫力ある構図に
下地島の“滑走路の道” —— 空と海がひとつになる場所
正確には橋ではありませんが、
下地島空港へと続く海上道路は、まさに “空へ続く道”。
滑走路の先に広がる17END(ワンセブンエンド)ビーチでは、
飛行機が頭上をかすめ、青い海と空の間をゆっくりと滑空していきます。
白い砂浜と海面の浅瀬がまぶしく輝くこの場所では、
時間が止まったかのような静けさを感じる瞬間があります。
波打ち際に立てば、空と海がまじりあい、
自分がどこにいるのかさえ忘れてしまいそうです。
📍 人気スポット:17ENDビーチ
🕊 おすすめ時間:午後(陽光が水平線に反射し、海面が白く光る)
👉17ENDビーチについては、詳しく紹介しています。下地島・17END~宮古列島の幻のビーチに感銘!
橋をつなぐ道 —— 宮古島ドライブマップ
4本の橋をつなぐルートは、まるで “青の環(わ)”。
朝に伊良部大橋を渡り、昼に池間大橋を走り、
夕暮れに来間大橋で一日を締めくくる。
その順番で巡ると、太陽の角度とともに海の色が変わり、
同じ“宮古ブルー”の中に、時間の移ろいが見えてきます。
🚗 モデルコース例
宮古島中心部 → 伊良部大橋 → 下地島(17END)→ 池間大橋 → 来間大橋 → 宮古市街
地図アプリを見なくても、風が教えてくれる。
そんな感覚でハンドルを握る時間こそ、宮古島ドライブの醍醐味です。
終章:道が教えてくれること
宮古島の橋は、ただのコンクリートの道ではありません。
そこには、海と風と光、そして人の心をつなぐ“物語”があります。
橋を渡るたびに風の匂いが変わり、
空の青が少しずつ深くなり、
旅の終わりには、自分の中に新しい “青” が残ります。
宮古島の道は、どこへ向かっても美しい。
けれど、その美しさは“走り抜ける時間”の中にこそあると思います。


